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親族内承継
親族内承継
親族へ事業を承継させる方法としては、「1.売買」、「2.生前贈与」、「3.遺言」、「4.死因贈与」、「5.遺産分割」という手段が考えられます。「2」、「3」、「4」を用いる場合には、他の相続人の遺留分を侵害しないよう注意すべきです。また、遺言の作成と併せて受益者連続型の信託制度を利用することによって、オーナーが亡くなった後の財産の承継先を複数の世代にわたって決めておくことができます。
※受益者連続信託:当初の受益者が亡くなった場合に、他の者が新たに受益者となる定めがある信託(例えば、承継させたい財産を持っている本人がその財産を信託して自らが第一の受益者となり、本人の死亡により配偶者が第二の受益者となり、配偶者の死亡により子が第三の受益者になるというように、受益者の死亡により順に他の者が受益権を取得していくことができる信託)

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売買
オーナー社長と後継者との間の売買契約によって財産等の移転ができるため、円滑性、迅速性に優れた方法です。
売買契約によるため、後継者に資金調達が必要であること、オーナー社長に譲渡所得税がかかる等の注意点がありますが、後継者はオーナー社長の生前に事業に必要な財産等を取得できるため、早くから企業経営に対して影響力を持つようになり、後継者の地位の安定につながります。
また、財産等の取得の際に売買代金等の対価を支払うため、オーナー社長の死後、他の相続人から遺留分を主張されるリスクを回避できます。
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生前贈与
事業の所有者が生きている間に、事業や資産を後継者に無償で移転する手法です。
贈与の形式であるため、後継者は買取のための資金調達が不要です。
売買同様、後継者の地位は安定しやすくなりますが、オーナー社長の死後、後継者が遺留分の請求を受ける可能性があること、また、後継者は年間110万円を超える価格について、最大で55%の贈与税の申告が必要になります。
生前贈与で子に事業承継する場合、相続時精算課税制度の利用の検討が必要です。
また、自社株式を生前贈与する場合、贈与税の納税猶予制度を利用することも考えられます。
※相続時精算課税制度:親子間などの贈与で一定の要件に当てはまる場合に選択できる制度。基礎控除(年110万円)と特別控除(累計2,500万円まで)により、一括で最大2,610万円までの財産を贈与税の負担なく贈与が可能だが、贈与者の相続時にこの贈与財産(基礎控除額を除く)を加算したうえで相続税の計算を行う。
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遺言
遺言によって後継者を指名し、また事業の継続に必要な財産等の所有権を後継者に帰属させる方法です。遺言があれば相続発生後の遺産分割協議のトラブルを回避することができるでしょう。
遺言には①自筆証書遺言(全文、日付、氏名を自筆し、押印)、②公正証書遺言(公証役場にて公証人が作成。原本は公証役場で保管)、③秘密証書遺言(自筆の遺言書を封筒に入れて封をし、公証人の確認を経て公証役場で保管)があります。
それぞれの種類にメリット・デメリットがありますが、自筆の場合、法律で定められた形式でないと無効になる恐れがあるので注意が必要です。
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死因贈与
贈与者の死亡を条件に贈与が成立する契約です。遺言と異なり、例えば「死後、財産を贈与する代わりに生前に贈与者の面倒を見る」など、受贈者に一定の義務を負わせることも可能です。(負担付死因贈与契約)
なお、死因贈与の場合、死亡によって贈与の効果が発生するため、相続税の申告が必要となります。
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遺産分割
遺産分割協議によって後継者を決定するとともに、事業の継続に必要な財産の帰属先を定めるものです。相続人全員の合意が必要であるため、後継者以外の相続人に対して平等に財産が分割されることが必要です。
相続人間での合意形成ができない場合、家庭裁判所による調停や審判が必要になります。